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「嘘ついて、どーするんだよ。雅が何回か店が休みの日に見舞いに行って、透の母親とも知り合ったって言ってたから間違いねーな」 「そうだったんですね…。雅さんも辛いでしょうが、命には代えられません…」 「夢が叶った僕達は、とても幸せなのかもしれないね…」 「貴方…」 「あー、あと父親は単身赴任で共働きらしいとも言ってたな」 その時、ガラガラと出入り口が開いて、暖簾をくぐった客と思われる団体が顔を出す。 「「いらっしゃい!!」」 客の応対に追われる山村夫婦。 「雅が透と連絡先を交換してる筈だ。帰ったら、この事は雅に話してみるさ」 「宜しくお願いします。ドクターストップが掛かれば彼も諦めざるを得ないでしょう」 俺は鈴木の名刺を胸ポケットに入れると日本酒と、それから車で酒が飲めねー鈴木とは、マグロの刺身を堪能した。 店=家に帰ると、丁度タイミングよく雅が出てきたところだった。 「お帰り、お父さん!お母さん、今、お風呂に入ってるよ」 「そうか。雅、話がある。リビングに来れないか?」 「うん、大丈夫!」 俺等はリビングに向かい合わせで座る。 そして、さっきの山村亭での話を切り出した。 「雅、ここ2、3日の朝の事なんだけどよ…」 雅の表情が明らかに強ばる。
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