親友or〇〇

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「少し話がある。」 「……すみませんが今は急いで」 「佐野を探してるんだろ」 ピクっと会長の一言に皆の顔色が変わる。 声のトーンをいつもより抑えがちにしながら、会長は俺たちについてくるよう視線で促す。 「悠樹の居場所を知ってるのか?」 心配そうに眉を寄せながら天が会長に聞くが、会長はただ一言だけ「話はあとだ」と歩を進める。 緊迫感の漂う雰囲気に自然と急かされる慎達だが、数分もしないうちにある部屋の前で止まる。 この学園で頂点に立つ最高権力者達の集う部屋。 【生徒会室】 ガチャ。 豪奢な両開きの扉を開けると、誰もいないはずの深夜の部屋は明かりに照らされ物々しい雰囲気を放っていた。 「あれ、今日臨時の会議の日だっけ?みんなお揃いだねー」 さすが学園の内部を総括する生徒会室というだけあり、中は高価な壺や家具、キングサイズのソファに中央には大きなテーブルが備わっている。 副会長 斎藤 摸 書記 小野 誠 書記 柴 大地 端を見ると、何故か風紀委員長の安藤 忠の姿も見える。
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