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「〜ッ、な、何しやがる悠樹」
「お前こそなに人様の寝顔観察してんのwwねぇ俺のおでこある?」
「あ、たんこぶできてる」
「お前もな。お互い石頭で痛み分けだな」
涙目になりながら左右を見渡してみると、両手を縛られたまま、薄暗い四角い建物の中に2人きり。
しばらくじっとしていると夜目がきいてくる。
あれ、俺たち撃たれなかったっけ?
「どうやらお互い生きてる……ようですな」
「天国がこんな1ミリも安らげない場所なんてオタクの魂が成仏しきれんて。まずは巨乳で金髪の絶世の女神を拝まねば」
「生きてるわ」
今の会話のどこで生を実感したのかはこの際置いておく。数歩歩いた壁際にあったドアノブをガチャガチャしてみる。
……ま、閉まってるよな
見たところ窓もない。今が朝か夜かも分からない
ここはどこ、私はだれ?って言うお約束展開が無いだけまだマシかもなww
「無駄だよ。俺もついさっき色々試したんだけど、あの誘拐犯トリオがいないだけでさっきと殆ど状況変わってない。拘束監禁プレイ継続中」
「当事者じゃなければ心躍るワードなんですけどねww腹いせに寮に戻ったら絶対大きな人サイトで検索してやる」
「そもそも俺たち帰れるかな?」
「…帰る。俺はあいつに謝らないと」
「あ? 慎のこと?なにお前ら、久々に喧嘩してんの?」
「喧嘩っていうか、ただの俺の当てつけみたいなもん。心配してくれたのに…怒鳴った」
「あー、当て逃げしてきたわけか。」
「車の当て逃げみたいに言うな。俺は犯罪者か」
逃げてきたし間違ってはないけど上手いこと言われたようでムカつくwww
「ふーん、ここからどうやって逃げる気なの」
「「………!!?」」
俺たちしか居ないはずの空間に、突然別の男の声が反響する。
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