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「あ、うん。その曲分かる。
うわぁ、久志いいな!
涼雅の生歌聴けるなんて!
なんで今迄言ってくれなかったの!」
そう言ったけど、今迄言えなかった久志の気持ちも分からないわけじゃない。
知ってる人だから、その死が悲しくて。
楽しく、涼雅の事を語れないだろうし。
ファンの私に気を使わすとも思ったのだろう。
実際、知った今、今迄のように嬉々として涼雅の曲を聴けない。
「もし、お腹のその子に涼雅って付けたら。
俺が名付けたの、広子達には黙ってて」
「分かった」
「俺、音楽の事は分からないけど、
涼雅君は天才だと思ったよ」
その後は、2人で涼雅の曲を朝迄聴いた。
途中で起きた美麗もリビングに来て、
「その人の曲、よくママ聴いてるよね?
こないだパパも、ママが居ない時聴いてたよ」
最近、おしゃべりが上手になった美麗が、そう教えてくれた。
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