【ショート・ショート】踏み出せ、一歩!

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「……えっ?」 「あのさブルー、私が何で年末に地元に帰ってきてたか分かる?」 桃は僕に歩み寄ると、後ろ手の状態で尋ねてくる。 「えっと」 「ブルーに会いたかったからなんだよ、実は」 桃は微笑すると、続けて言った。 「で、Facebookでレッドのアカウントだけなんとか見つけてさ、それを取っ掛かりに毎年ブルーと会ってた訳。 こんだけ頻繁に帰ってたら、ブルーもいつか気付いてくれるんじゃないか、って」 「ちょっと待って、それなら赤塚のFacebookでやり取りするんじゃなく、個別で俺とLINEで繋がったりすれば良かったじゃん。 何で、そんな回りくどい事をしてた訳?」 「それはこっちのセリフだよ」 桃はやれやれといった感じで、肩をすくめた。 「ブルーが私の事を好きなら、後でこっそりLINEで繋がったりしてくれれば良かったのに。 何で、そうしてくれなかったの?」 「いや、俺はてっきり桃は赤塚の事が好きなんだろうな、と思って……」 「レッドの事は確かに人間的に好きだけど、恋愛対象としてはちょっとね」 桃は苦笑すると、僕にベンチに腰かけるよう促した。
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