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『レッド、久しぶり! 桃です!
今年、そっちに帰ったら久々にレッドとか三人と会いたいんだけど、いいかな?
また、四人でバカみたいに、はしゃごうよ!
大人になったから、今度はお酒も飲みながら!』
僕ら三人の中で、唯一「Facebook」のアカウントを持っていた赤塚に対し、コンタクトを取ってきた桃。
東京に出ず、地元で就職して女っ気の無い生活を送っていた僕ら三人は、赤塚が代表する形でその桃のメッセージに即座に応じた。
20年近くの時を経て大晦日に会った桃は、僕らの想像以上に大人びてカッコいい女性になっていた。
「皆、変わってない! 昔のまんま!」
東京での生活は、僕らの想像以上に自制を求められているのか、この日の桃は、幼少期に遊んでいた時以上に饒舌であった。
そして、この大晦日の日を境として、桃は年の瀬が近くなると、決まって赤塚のFacebookに『また、皆で一緒に年越ししようよ』といったメッセージを送ってきた。
僕ら三人の窓口役である赤塚は、その度に得意気な顔つきで『OK! ブルーとイエローにも伝えておくわ!』と、桃に対してメッセージを返信した。
その赤塚の様を見つめながら、僕は一つの事実を受け入れるしかなかった。
もし、赤塚と桃との関係が途切れてしまえば、僕らは桃と会う事はおそらく無くなってしまうのだな、と。
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