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爽・side
「ふふっ…ははっ… …」
「… … … …」
「ねえ、爽…見てる?これ、めっちゃおもしれー……っはは!」
「…そうかあ、…うーーん、俺は別に… 」
「ははっ… 」
ナツの希望通り、激しいセックスの後…
俺たちはでかいベッドの上で、今度はおとなしく映画鑑賞を始めた。
ナツはさっきから、ほぼコメディーの動物アニメに夢中だ…
俺は普段、アニメなんて馬鹿らしくて見ないが、ナツがこれがいいって言うもんだから仕方ない…
でも、やっぱ、入り込めない…どこが面白いか正直よくわからない…。
ナツは笑いながら、さっきフロントに注文して届いたばかりの熱々のポテトを時々つまみながら、そして、人生…いや、犬生、初めてのクリームソーダを、うまいうまいと言って嬉しそうに飲みながら、無邪気過ぎる笑顔で映画を楽しんでいる…
「なあ、爽…人間界の映画…アニメってさ、よくできてんな~~… いやすげえよ…この技術…マジですごい…俺、ハマっちゃいそう…」
「そうかあ…?まあ、おまえが楽しいなら良かったよ…?だから言ったろ…?楽しいアミューズメントパークみたいな場所だって、さ…」
俺は思わず、ナツの柔らかなくせっ毛に手を伸ばして、頭を撫でてしまう…。
そんなことする気もなかったのに、どうした…俺の手…
「んっ…なんだよ、… 撫でんな… 子供じゃないんだから…」
少しふくれっ面をしながら、ナツは俺の手を払い、またポテトをつまんで画面に視線を伸ばす…そして面白いのか、またすぐににこにこと笑う…。
「… … … かわいい…」 ぼそりと呟く俺…
当然、ナツには聞こえないほどの小さな声…
なんだ、俺のこの感情…。
こんなでっかい、190位タッパのある男らし過ぎる男…
肌も浅黒くって、とても可愛いとは程遠い切れ長の銀色がかった眼…。
イケイケな姉ちゃんが好きそうな男男した、男の色気が駄々洩れな、こんな逞しい感じの男に対して、
可愛いっとかって… 感情、持つなんて…。
俺、どっかおかしいのかな…
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