爽・side

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俺がぼうっと、ナツの可愛い…いや、精悍な男らしい顔立ちのナツを眺めていると… 「ん…何?…爽… つまんない… ??ごめん、なんか俺が好きなの、選んで…おまえ、あんま楽しくなさそうだな…っていうか、ほとんど見てなさそうな…」 ナツがそう言って俺を見て、あからさまにしょげてる…  別にいいのに…  俺はなにも、真剣に映画を観に、ここに来たわけじゃない…。 ただ…ただただ、ナツを可愛がりたかった…  抱きたかった、だけで… 「いやいや、全然いい… おまえが楽しいなら、それでいい… 食べ物、足りてるか…?なんか他に食べたいものあったら、遠慮なく言えよ…せっかくだから…」 「ううん、もういい…この、美味いポテトと、クリームなんとかがあれば、十分だ…  それにしてもこれ、ホント美味いな…♪」 ナツが心から楽しそうに、クリームソーダの上にかろうじてまだ溶けずに残っているソフトクリームの部分をスプーンですくって口に運ぶ。 「… … …」 こんなにも、立派な男の姿のくせに、本当に無邪気な男だ… まるで、子供だ…。 まあ、年は俺より全然下みたいだから当たり前だが… なんていうか…やっぱり… 元が犬だからか、人間の同世代の男より全然ものを知らない分、純粋っていうかなんていうか…。 「… っふっ… 」俺は思わず、ナツを見て微笑む。 「… …っ … なんだよ爽… 人の顔見て、笑うとか… …」ナツがムッとして俺を見る。 「… いや、だってさ… マジでおまえ、子供かよ… 」 俺はナツに向かって手を伸ばす。 やめるか… ? いや… もういい… 俺のしたいように、しよう…。
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