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俺はナツの方に近寄り、顎をつかんで、ナツの顔を強引に俺の方へ向ける。
「わっ… 何、爽っ… …!!こぼれる…」
ナツが慌てて、ベッドサイドの水平な場所に、クリームソーダのグラスを置く。
「…ついてるよ、唇の端に… クリーム… 」
俺が指摘すると、ナツは慌てる。
「へ…!?あっ… ソフトクリーム…! 右?左…? どっち、… ん!?」
「んっ…、 んぅっ… んーーー っ… 」
俺はすぐさま、ナツの唇を塞ぐ。
驚いて眼を見開くナツを横目に見ながら、すかさず唇を割ってナツの口内に俺の舌をねじこむ。
「ん、ふ… はぁ… んんっ、爽… んんっ…!苦し… 待っ… 、んんっ… 」
いっそ、もっと激しくキスをして、息の根を止めてやろうか…
悶えて苦しそうなナツの顔があまりに扇情的で、余計に俺を興奮させる…
久々に残忍な気持ちがふっと頭に浮かび、自分が恐ろしくなる…
なんなんだ、マジで俺… やべえ… やめよ、キス…。
「…甘っ… 」
ナツとのキスを堪能した後、
当初の目的であったはずのナツの唇の端のクリームをペロリと舐め取ってゆっくりと唇を離すと。
そこには、ゆでだこのように真っ赤な顔をしたナツが、俺を睨んで震えていた…。
「バカ、爽…!!普通に、どこについてるって、言ってくれたらいいのに… スケベ男…」
ああ… どうしよう… 俺、
どうやらコイツ… この元犬の、どでかい体格のイケメン男…ナツを、
結構… いや… まあまあ…
違うな、多分… かなり…
好きに、なっちゃったみたいだ…。
どうすんだ…
そもそも、コイツ、
人間じゃ ないんだぞ…
いつかは… …
俺は気付きかけた自分の気持ちに、深いため息をつきながら、
ナツのくせっ毛をもう一度、
くしゃりと、撫でまわした。
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