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とはいっても、人肌が恋しくなってたまに辺境ステーションの宿場域へ入船すると、見慣れたはずの貧民窟の、そのふるい煉瓦のたたずまいがきれいすっかり軍の施設と入れ替わっていることもある。1年まえに抱いた若いオンナの豊満な肢体が背骨のまがった皺くちゃのおばあちゃんになっている――なんてざらだ。そう、ウラシマ効果。
心臓が鋼鉄でもって鋳造されたようなぼくと言えど、やはりすこしはさびしい。予期せず唐突に未来が顕現するのが宇宙船舶操縦士の世界なのだ。それくらいわかっている。わかって就いた仕事だが、ぼくだけがたったひとり、137億年もの長大な宇宙から無惨にもとりのこされてしまったような気分にもなる。オンナがますます恋しくなる。そんなわけで、ぼくは娼館の扉をおしあける。
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