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6
うす汚れたベッドのうえ、くちびるを重ねる。素肌がふれあう。ぬくもりが波紋のようにひろがる。やさしく全身へつたわる。乳房に耳をあててみると、高鳴る鼓動が聞こえるから不思議だった。
かたくなる乳首を吸っては噛んで、ぼくはオンナのやわらかな乳房をもみしだく。ふれると肌にさざなみたつ、あの得がたい至福の感覚はまだこの手のなかに懐かしい記憶としてのこっている。
秘める内奥をすみずみまで執拗に舐めつくす。コリコリする触感。温かな生臭み。まるできのうの出来事のようだ。ぼくはみずからの存在を声高に主張するかのように脈をうって勃起する。あいくちを突きつける。怒ったように腰をふって、襞のわれめに1年分の濃厚な精液すべてを注ぎこむ。
どうしてなのか、じぶんでもよくわからない。オンナの体をなんども開く。そんなとき、ぼくはぼくの下腹にうごめくノイズのごとき黒い衝動に悶々と支配される。それはぼくという個性を遥かに遡る、ぼくという自我を霧消する圧倒的な衝動だ。
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