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 1年の周期で地上におりてはオンナをだいて、ぼくはとうめん喰うに困らない額の大金を枕もとに置いてゆく。それこそ天文学的な高給だが、あいにくぼくは使いかたを知らない。  オンナはいちように目を見張る。待っていると誓う。壊れたように、そのフレーズばかりくちにする。ぼくはだまって頸をふる。事情を説明する。たがいの1年がおなじ1年の長さではないことを、そのたびごとにオンナにおしえる。オンナはしきりにうなずくが、きちんと理解できていたかどうか、いまとなってはわからない。あすの飯を喰うのに必死なのだ。地上の宿場の住人たちは、ハイソな宇宙旅行とは死んでも無縁だ。  光速度で走行する宇宙船内のぼくの時間。そいつを地上からキッチリ観測したとしてもピッタリ止まって映るのだとていねいに説明したところで、おそらくはなんのことやらチンプンカンプンだったのではないだろうか。生活の実感があまりに懸け離れすぎているのだ。
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