おめでとう〜あい・うぃる・おーるうぇいず・らぶ・ゆー〜

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 同じく部屋の隅で暇を持て余している、小学生の兄弟に挨拶をしました。彼らは、小学校の制服姿で来ています(制服のある小学校って羨ましいです)。  親戚の藤枝知季くんと、その弟の弘也くん。年子で、それぞれ小学四年生と三年生です。琴音おばさんの弟が鎌倉で小説家をされてまして、その息子さん達ですね。ぼく達から言うとまたいとこ、はとこに当たります。  「知季くん、弘也くん。お久しぶりです…。お二人とも、大きくなりましたね。前(8年前)にお会いした時は、まだこーんな小さかった(1、2歳児)のに」  「兄貴、親戚のおばちゃんかよ。そして、二人とも面食らってるじゃん。兄貴のこと、覚えてる訳ねーから」  うう、そうなんですよね。二人とも事情は聞いているでのしょうが、ぼくのことを得体の知れない怪物みたいに見ています。昔は、お二人のオシメも換えて差し上げたと言うのに。彼らの一番可愛い時期を、見逃してしまいました。    それでも、何とか…。お兄さんの知季くんはぼくと似たおっとり型なので、話を合わせてくれるようになりました。お父様と同じ、小説家になるのが夢なんですって。弘也くんは人見知りなのか、お兄さんの陰に隠れてじっと黙っていました。
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