青い夏

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高校からの帰り、電車を降りて改札に向かう途中で、見慣れたポニーテールが目に入った。 「実咲」 名前を呼ぶと、 「あれ、望じゃん」 振り返って俺を見た。 家が隣どうしで年も同じの実咲とは中学までは毎日のように顔を合わせていたけど、高校に入ってからは、学校は違うとはいえ乗り降りする駅は同じなのに会うことは意外と少ない。 顔を合わせるのは2週間ぶりくらいだ。 「今日6限まで?」 「そう」 実咲は春服から夏服に変わっていた。制服がかわいいからこの高校にしたんだと本人が言っていただけあって、まあ、かわいいし似合っている。 一方の俺は中学生のときとたいして変わらない学ランだ。 「ねえ、来週のあたしの誕生日プレゼント決めたよ」 家に向かう道を並んで歩き出しながら、実咲は嬉しそうに言った。 「俺、何がほしいって聞いたっけ?」 「だって毎年くれるでしょ」 「実咲がくれって言うからな」 「あたしも毎年あげてるでしょ」 「俺がくれって言うからな」
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