詩「詩人の一生」

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私のことは夢だと思ってください まぬけな泥棒のように よごれた手拭いを頭からかぶって 詩について考えているのです お金を払って不便を買い 必死になって不幸の練習をする あたまの中に 言葉が浮かんでは見失い 不安のため池 底の見えない泥の中を やみくもに手探りで 両肘の感覚はとうになく あぶくのように消えていく その繰り返しなのです あさがきて ひるがきて よるがきて 過去は未来が決めるのだと 頑なに信じて いや そのはずなのですが まずは謝らせてください わたしはあなたを愛しています わたしはあなたを守りたい 真実なんてどうでもいいのです リアルなんて必要ありません 共に手を取り合って 静かに微笑み合って 幽かな喜びを分かち合って はるも なつも あきも ふゆも てのひらに残るのは 言葉の死骸だけなのです その影に光を当てれば あなたの涙が恋しいのです 私のことは夢だと思って どうか夢だと思って諦めて そうして生きていきましょう。
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