走り出した君を僕は黙って見とった。

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「なんで、こがぁなところに…」  やっと振り絞ったような掠れた声も、昔からは想像もできん弱々しいもんじゃった。  ようちゃんは、校門を背に立つ僕と向き合うたまま、スニーカーの底でアスファルトの上の細かい砂粒を、じり、じり、と擦りながら後ろに下がっていく。  やっと振り絞ったような掠れた声も、昔からは想像もできん弱々しいもんじゃった。  ようちゃんは、校門を背に立つ僕と向き合うたまま、スニーカーの底でアスファルトの上の細かい砂粒を、じり、じり、と擦りながら後ろに下がっていく。
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