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これから知るよ
「これで良かったのか?真野。お前、教室に居づらくなるんじゃねぇの?」
帰り道、俺たちは教室に残っていた。そして一緒に黒板を消していた。(なんでか知らないけど)
「それは廣田くんもでしょ」
確かに、俺陽キャじゃないのに何あんな臭いこと言ったんだ。
俺はひどく後悔した。
ガンッ!と黒板に自分の頭をぶつけた。いや、ぶつけさせた。
「まぁいいのかもな。真野のあんな噂が消えるくらいなら」
ボソッと俺は口にした。すると真野はクスッと笑った。
「廣田くん、お人好しすぎよ」
笑顔で肩を震わせながら、真野は言った。
俺は黒板をする手を止め、真野を見た。
「俺達…これで、良かったのか」
すると真野は、静かにうなずいた。
「良かったわよこれで。根拠はないけれど」
「…そっか」
太陽が夕日に変わり、教室を染める。
午後5時。もう少し一緒にいたい。
そんな思いが、俺の心に浮かんだ。
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