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episode.6
東京行きの飛行機に乗るやいなや、CAの人が話しかけてきた。
「飲み物どうなさいますか?」
「いえ、いらないです。」
「そうですか。いる時はお尋ねくださいね。」
CAの人は優しく言った。
「回りもこんな優しい人ばっかだったから...。駿と結婚しちゃったんだ。」
特に私の父親はそうだった。
とても優しい人だった。
「...でも、今はそんなの関係ないんだ。」
そう、もう関係のないことだ。
駿とは縁を切った。
「...早く東京に着かないかな。」
私は飛行機から見える雲を見た。
「雲は良いよね...、結婚なんてないもの。」
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