オレンジ

1/1
前へ
/28ページ
次へ

オレンジ

 滲んだ言葉が  君の心を映していて  僕の胸をズキズキと  締め付ける  下校時刻は  とっくに過ぎている  僕の足はまだまだ  動きたくないようだ  思い浮かんでは消える  景色は君の笑顔で  輝き満ちていて  誤魔化しようもなく  ただ  隣の席に座る横顔や  冗談言って笑う声や  君の存在が目を閉じれば  浮かんでくるんだ  最後の日のその前に  急な君からの呼び出し  照れくさくてさ  逃げ出してしまったんだけど  ごめん、大好きだよ  まだ、帰れないな  窓の外の光が  教室をオレンジに染めて  きみが好きな色だと  思い出した  伝えれる期間は  とっくに終わってる  それでも私はまだ  諦めたくないんだ  全てが終わった教室で  一年座った私の席の隣  ひっそりと眠る文字は  間違いようもなく  きみの  隣で居眠りきみの姿を  寝ぐせで照れ笑いするきみを  きみの存在を思い出せば  笑顔になるんだ  最後の日のその前に  勇気を出して呼び出し  伝えたくてさ  待ちぼうけだったけど  大好きでごめんね  まだ、帰れないな
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加