望みに向かって

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 エレベーターを使うのももどかしく、3階の階段を駆け上がりチャイムを押す。嫌がらせかと思われそうなくらい連打する。  「なんなのよ、誰!?」  (いきお)い良く開け放たれたドアを飛びのいて避け、不機嫌顔(ふきげんがお)の友人に負けない声で言い放つ。  「元気!?」  友人はぽかんとして、それからふいって目を()らした。ずかずかと部屋の中に入り、上着をつかんですれ(ちが)いざまに友人の手を握って引っ張った。  「え、何!?」  「遊びに行くの!」  「は!?」  「ストレス発散(はっさん)に付き合いなさいよ。(いそが)しいは、なし! やらなきゃいけないことしかやらないなんて、つまんないじゃん‼」  目を丸くしている友人の手を引いて、私は走り出す。
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