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校長の話と会長の話はプラマイゼロです
あ、あの無駄にイケメンオーラが見える背中は会長しかいない。
「会長っ!!」
「あれ?もう起きたのか?」
「はい。もう三十分も経ちましたし、あれだけ寝させていただけたなら十分な休息がとれました。」
それにこれ以上俺が寝てたら会長のスピーチの練習と打ち合わせの時間がとれなくなるしな。
まあ?俺はできるやつなんで( ・´ー・`)
「会長の方はお時間よろしいでしょうか?そろそろスピーチの件でお話をさせていただきたいのですが。」
「ちょうど終わったとこだし大丈夫。ステージの方にでも移動するか。」
「はい。」
そう言って俺たちはステージの方に移動する。
「それで、スピーチの件だったよな?」
「はい。会長はもうスピーチの内容についてはお決まりでしょうか?」
お願いだ。決まっていると言ってくれ。ここで急いで内容決めないといけないとか死んでも嫌だし、時間がおすとこのあとしんどい放送委員との話し合いが待ってるんだよ。あそこの人と話すと無駄に疲れるから一旦休憩を挟みたいんだ。頼む会長……。
「あぁ。当たり前だろ?まだ覚えてはないが、ちゃんと内容は考えてきたぞ。」
よぉしゃぁああぁあー!勝ち組!
これで今日の俺の不安要素が一つ消えた。
いや、別に会長を信じてなかったわけじゃないんだけど去年の終業式のときの前科があったから…。
「あ、ちょっと待ってくれ…」
そう口にしながら会長は何かを探すようにポケットをあさっている。
え?な、なんか悪い予感がする。
「会長………?」
やめてくれよ…今更無いとか言われても……
「すまん。台本用にと思って書いた紙をなくしてしまった。」
うっそだろぉー。
期待させといてそれはねぇって。
さすがの会長も悪いって自覚があるのか申し訳無さそうな顔をしてるが今は会長のフォローをする気力がわかない。
「ほんと申し訳ない……。」
はあ。これはもう諦めるしかない。かくなる上は会長のスピーチ限界まで削ってみるか?どうせ校長の話は安定で長ったらしいだろうし。お?これは割とガチの方でいいんじゃね?
「はぁ。忘れたんならもうそれはしょうがないです。まだ去年みたいにスピーチがある事自体忘れたんじゃないんですからこれも成長ですね。」
「ありがとう…」
「そこで提案なんですが、今回はもうスピーチの長さを短くしてみませんか?」
「どうゆうことだ?」
「はじめの挨拶とこれからの一年生への応援でスピーチを終わらすんです。
校長の話は長いんですからプラマイゼロでいい塩梅になると思うんですよね。どうでしょう?」
「いいと思う。最近生徒から集会による授業の遅れがあるとの意見もあったしな。」
「了解です。スピーチの時間は何秒ぐらいを目処にしましょうか?」
「三十秒もあれば十分だと思う。」
「わかりました。そのように放送委員の方には通しておきます。」
「あぁ。よろしく頼んだ。」
「はい。それでは失礼しますね。」
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