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会長の腕掴んじまったぜ
"○○家の立食パーティー"
『いやあー流石氷咲家のお子さんだ。この年でもうこんなにも礼儀作法がしっかりしてるとは』
『澪!!なんだあの態度は!!!お皿の持ち方がなってない!それにここではお前のイメージが崩れる食べないように言っただろうが!!!』
『今日も澪様は麗しいですね。まるで儚い精霊のようだ。』
『澪様は全然お食べにならないのね。』
『そんなの当たり前ですよ。澪様は線が細いんですから、そんなにお食べになるとお体壊してしまうのでは?』
『澪、クッキー持ってきたよ!食べて!』
『雷!!!澪になんてものを食べてさせてるんだ!!!』
『でも、澪このままじゃ、、!』
『お前のような欠陥品とは世界が違うんだ!!』
"氷咲財閥の氷咲澪、世界最高峰の音楽会に招待される"
『やっぱりあの方は天才ですね。』
『きっと自分にとても厳しい方なのよ。』
『氷のように冷たいと聞いたよ。』
『それは僕たち一般人に対してだよ。』
『そうですよ。財閥の方との交友関係はしっかりなされてるそうよ。もう将来を見据えていらっしゃるなんて』
『この人はきっと失敗なんてしたことないんだろうね。いや、失敗という言葉すら知らないのかも。』
儚い淡い存在に映るように作った自分。
賞なんて当たり前にとる完璧だけを突き詰めた自分。
一般人とはかかわらず自分と同じ世界にすむ人たちと交友関係を広げるために作った自分。
氷のように冷たいように作った自分。
失敗なんていう存在なんて知らないような自信家で天才的な才能を持つように作った自分。
どれもこれも虚像でしかない。
苦しくって、息ができないくて、、、
それでいて真っ暗で一人ぼっちで寂しい。
俺も明るい方にいきたい。
昔は一人じゃなかったのにな、、
いつから俺は一人だったんだろう。
いや、これは違うな。いつからも何もない。だって自分から一人になったんだから。
求められる姿になるように自分に偽って生きる俺と、冷遇されながらも自分のしたいことを叶えるために必死に生きていたあの人、あまりにも違いすぎて羨ましいくてひがんでしまったから距離をおいた、、
自業自得だな…………。
そんな自分が未だに寂しいと思ってるなんて、、
一人にしないでって言ってるなんて、、
自分を偽り続け、本当の自分すら見失った俺に手を伸ばしてくれる人を未だ求めてるなんて、、
バッ!
「澪、、?」
やべ…………。
俺、会長の腕掴んじまった、、。
「あ、会長………。」
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美しい花は美しく生きることを求められる。誰も枯れた花なんて見向きもしない。
花が美しく見られるために重ねた努力も見られることはない。その過程で生まれた苦痛も何もかもだ。
だから花は途中で自分の心の悲鳴を伝えることを諦める……………。
そして感情を隠すことがうまくなる。
隠しきれなかった感情は棘となりいつの間にか自分の体を蝕む。
今日も美しく憐れな花は仮面を被って生きている。
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