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「樹里から聞くことは…樹里を知れることでしょ?どんな話も聞けて嬉しいよ」
「うん…ありがとう」
「また聞かせて」
「もうないんじゃないかな?」
「そんなことはないでしょ?全然足りないよ」
「…おじいちゃんたちのこともお父さんたちのことも言ったし…」
「樹里」
僕が樹里に体を向けると彼女は‘なぁに?’という風に首を傾げる…可愛い…可愛すぎる。
「家族のことは聞かせてもらったけど…ターシャとの楽しい話はもっとあるでしょ?ここの家族ともね?それに樹里のこと…もっともっとたくさん話を聞かせてくれなきゃ…ねっ?わかる?」
樹里は両親のことなどが自分の全てだと思っている節がある。だからもうないんじゃないかなんて言うのだ。
「樹里が歩けばナンパされる…みたいな話もしろってことよ、樹里」
「えっ…真矢ちゃん…それは真矢ちゃんから聞きたいな…きっと樹里は半分も気づいていないか‘無視するから大丈夫’くらいしか言わない」
「昴」
そこで陸斗に呼ばれ彼を見ると
「樹里をよくわかってるんだな…樹里をよろしく」
そう言い、陸斗はにかっと笑う。真矢ちゃんも続けて言った。
「ほんとわかっているわね。樹里に似合うものも知っているし、樹里と同じペースで話するしね。昴、樹里をよろしく」
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