僕のプリンセス

13/22
前へ
/183ページ
次へ
「樹里から聞くことは…樹里を知れることでしょ?どんな話も聞けて嬉しいよ」 「うん…ありがとう」 「また聞かせて」 「もうないんじゃないかな?」 「そんなことはないでしょ?全然足りないよ」 「…おじいちゃんたちのこともお父さんたちのことも言ったし…」 「樹里」 僕が樹里に体を向けると彼女は‘なぁに?’という風に首を傾げる…可愛い…可愛すぎる。 「家族のことは聞かせてもらったけど…ターシャとの楽しい話はもっとあるでしょ?ここの家族ともね?それに樹里のこと…もっともっとたくさん話を聞かせてくれなきゃ…ねっ?わかる?」 樹里は両親のことなどが自分の全てだと思っている節がある。だからもうないんじゃないかなんて言うのだ。 「樹里が歩けばナンパされる…みたいな話もしろってことよ、樹里」 「えっ…真矢ちゃん…それは真矢ちゃんから聞きたいな…きっと樹里は半分も気づいていないか‘無視するから大丈夫’くらいしか言わない」 「昴」 そこで陸斗に呼ばれ彼を見ると 「樹里をよくわかってるんだな…樹里をよろしく」 そう言い、陸斗はにかっと笑う。真矢ちゃんも続けて言った。 「ほんとわかっているわね。樹里に似合うものも知っているし、樹里と同じペースで話するしね。昴、樹里をよろしく」
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5852人が本棚に入れています
本棚に追加