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「樹里…家わかる?って…思ってる?」
「…ちょっとだけ」
「待っている間に…輔に聞いてナビ見たから大丈夫」
「うん」
「車ならすぐだね…」
昴は何でわかったんだろう…輔とは違う声を聞き、気になって聞いてみる。
「双子って言ったよね?」
「うん、似てない?」
「似ているけど間違えるほどそっくりではないね」
「俺たち二卵性だから、兄弟くらいに似てるんだろ」
「声も違うもんね。二卵性ってそういうものなのか…」
輔と話す私に昴が静かに
「ひとつ聞いてもいいかな…樹里」
前を向いたまま聞く。
「うん」
「うち以外でも…アルバイトしてる?」
「えっ…?うち?」
「…ああ…僕JOYで働いてるよ」
「全然知らなかった」
輔は昴のことを話したことないもの。
「JOYだけだよ」
「そうなんだ…それで休みには料理したりして…樹里はやりくり上手なんだね」
「家賃も水道光熱費もいらないの。だから特別やりくり上手ってことではないよ」
「そう…家族に感謝だね」
「うん、感謝してる」
水道光熱費がいらないなんて…不要な情報まで言っちゃったよ。
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