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「やっぱりイケメン?」
「二人ともそうだね」
「名前は?」
「昴」
「キャー煌めく名前」
「煌めく?」
「だって昴は星の名前でしょ?」
真澄ちゃんが二郎さんを見ると
「1個の星の名前でなく星の集まり‘星団’につけられた名前だね」
と教えてくれる。
「ほらね?星団だって。煌めく名前でしょ?」
「ちなみに…」
二郎さんがさらに教えてくれる。輔は輔という中国の星座で北斗に付き従う従属星座。そして輔という漢字は力を添えて助けるという意味を持つという。
「勝手な想像だが、親御さんは双子の兄に煌めく星の名前をつけて、弟には寄り添い助ける意味合いの星の名をつけたのかもしれないな」
「お父さんの想像は合ってると思うけど、現実には弟が社長なんだから実際の性格は名前通りでないのかもね。弟の方がきらびやかなんじゃない?」
「二郎さんも真矢もすごいね。二人とも当たっているように思う」
「で?どんな印象なの?兄は?」
真矢に促され昴にぴったりの言葉を探す。だが、うまい言葉が見つかるはずもなく感じたままに伝えた。
「ひどく静かな声だけど冷たいわけではなく、この世の全てのデコボコを吸収してくれそうな穏やかな声で話す人」
「あらっ…樹里に少し似た雰囲気なのかしら?」
「私…?」
「樹里も静かに穏やかにゆっくりと話すわよ」
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