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「今日は仕事」
何してるの?って思ってるよね。
「土曜だから店舗?とか考えてるね?」
「…どうしてバレるの?」
「樹里が顔と雰囲気で話してくるから」
「それって…気持ち悪いね」
「あははっ、大丈夫だよ。可愛いだけ…仕事だね?一応僕が副社長になってるんだけど何でも屋だよ」
「何でも屋?」
「経理もして輸入業務もして広報にも顔出して、クレーム処理をすることもある何でも屋」
「大変そう」
「飽きないように、ある程度の時間で業務内容が変えられて快適だよ」
「何でもできる人なんだ…すごい」
話しながら警察を呼んだという辺りを通りすぎる。
「初めて…キャップもニット帽もかぶっていないところ見た」
「そうなるか…樹里はヘアアクセサリー好き?」
何で知ってるの?って思ったね。
「樹里の髪色に似合う素敵なものをたくさん持っているでしょ?大きさもいろいろ…今日もよく似合ってる」
「ありがと…」
「いつもどこで買うの?」
「まや…従姉なんだけど…」
「うん、どんな字?」
「真実の弓矢」
「従姉の真矢ちゃん…うん覚えた」
「真矢はレジンアクセサリー作家でピアスとかヘアアクセサリーを作っているから、ちょっと仕事を手伝ったらいつもくれるの」
「真矢ちゃんはわざわざ樹里に似合うものを作っているようだね」
僕がそう言うと、樹里はとても嬉しそうに
「昴もそう思う?」
足を止めて僕に弾んだ声を聞かせてくれる。こんな声が出せるんだね、樹里。もっともっと、いろんな樹里を僕に見せてよ。
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