Hawaii

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 昼間はカップルと家族連ればかりのビーチも、時間をずらすだけで別世界だ。  1人でジョギングする男。  波間から手を振ってくる男。  その気になれば出会いなんて、いくらでも転がってるんだよな。  オレはドレスの肩紐から腕を抜き、生地をウェストで折り曲げた。  裸の胸に、朝の潮風が気持ちいい。その姿で手を振り返したら、海の方からピュウッと甲高い指笛が聞こえた。  なんだか嬉しくて、自然に笑みがこぼれる。清々しい気分だ。  もしオレだけを愛してくれる人ができたら、もうタチでもネコでもいいやって、今は本気で思ってる。  身体よりも心が強く繋がってる。  いつかオレにも、そんな相手ができたらいいな。  そしたらその時は、勝ち誇って2人に言ってやろう。  もうおまえらにつきあってやんねーよ! ってさ。 【了】
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