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サウナで夢うつつに
「はあ、う、あ、ああ、あん・・・!」
尻に固く太いのを飲みこみながら、磨りガラスに体の前面をこすりつけ、呼吸を乱しながら喘ぐ。
縦長の二畳くらいのサウナ室。
熱中症になったように意識を朦朧とさせつつ、どうしてこうなったのだろうと、思う。
きっかけは、会社の同僚の坂田がサウナに興味を示したので、サウナズキの俺が、ここに連れてきたこと。
サウナブームによって、こうした一人でも使える個室もあり。
初心者の坂田には、ちょうどよかろうと。
社員旅行でいった温泉で、すでに裸のつきあい済み。
お互いの視線を気にせず、早早すっぽんぽんになり、サウナ用のパンツをはいて、いざ。
上級者の俺は熱めがスキだが、初心者の坂田に合わせて、はじめの温度設定はイチバン低めに。
といって、すこしもせず、指先まで火照って、全身汗ばみ、頭がぼうっとして口数もすくなくなっていった。
「がんがん高熱じゃなくても、じんわりくるな」と浅く息をしつつ、なにげに坂田のお腹あたりを見たところ。
サウナ用パンツにテントが・・・。
そう、このときはまだ「おまえ、ひっそり勃起すな!」と俺は笑っていたし「ああ?ほんとだ・・・」と坂田はだるそうだった。
「・・・しかたねえよ、彼女にフラれて、大分、ゴブサタなんだから」
「え!?フラれていたのか!
あんなにデレデレウハウハに惚気て、俺に殺意を抱かせていたのに?」
「いや、馬はあったと思うんだけどな・・・俺がスキな立ちバックがどうしても受けつけられないって。
獣が交尾しているみたいで、自分が人扱いされていないみたいで、ヤだって」
「はっはー!なるほどねえ!
おまえ、セックス乱暴そうだもんな!」
「はああ?五年も彼女がいない、童貞並に使いものにならねー野郎よりは、ずっとマシだわ。
俺がどれだけのテクニックで、愛溢れるセックスをするのか・・・」
売り言葉に買い言葉の応酬はとどまらず、どうしてか、勝負することに。
お互いがお互いを愛撫して「どちらが、より快感を与えらえるか」を決めようという。
あとから思えば、勝敗のつけようのないことだったが・・・。
先攻は坂田。
愛撫されるほうの俺は、磨りガラスに手をつき、腰を突きだして。
なんの一言も、合図もなく、おそるおそる胸と太ももに手を這わせたのに「くすぐって!」と笑い、じゃれあうつもりだったのが。
顔が見えないこと、パンツ越しながら圧迫感を覚えたこと、テノヒラが熱くしっとりしていたことで、変に意識させられ「う、あ・・・!」とびくり。
のぼせたままワルノリしていたのが「あれ?これヤバくね?」と我に返りかけたものを、息を飲み、手をとどめた坂田は、俄然、尻に固いのを押し当てた。
「ちょ・・・!」と制止する間もなく、指で突起をつつきながら胸を揉み、パンツの裾から手をいれ、際どいところをなでなで。
俺の背中に胸をつけて、首や頬に荒く熱い息をふうふう。
「ば、か、あ、あう・・・!やめ、ろ、って、ん、はあ、く、あ、ああ、だめ・・・!」
ただでさえサウナの熱に当てられているというに、身の内から燃やすように興奮しては、心臓が破裂しそう。
サウナ上級者の俺が、目を回し脱力する一方で、どうしてか、サウナ初心者の坂田は、熱を燃料にするように、がつがつと体にむしゃぶりついてきて。
たしかに、テクニックを誇っただけあり、滑らかな手つきにあんあん身悶えてしかたなく。
なにより、背中にくっつく坂田の上半身、湿って熱い肌が摩擦し、かすかに水音がするのが悩ましげで。
俺もテントを張ったのを、パンツに侵入した手で、もどかしくイタズラ。
尻の割れ目がこすられるのに合わせて、たまらず腰を揺らしたら、胸の突起をつねられ、首を噛まれて「はあう!あ、あああん!」と射精。
体が溶けそうな発熱と、瞳が液状化しそうな眩暈に襲われ、このあとは記憶がアイマイ。
ひたすら熱に浮かされ、意識を混濁させ、夢なのやら現実なのなら。
「あ、ああ・・・や、あ、やめ・・・イッタ、ばっか、あ、あ、あん・・・」
磨りガラスに体を寄りかかせたら、パンツを脱がせて、露わになった尻に舌を。
びしょ濡れで萎えたのを、揉みながら、尻の奥まったところを舐めに舐めて、舌先をねじこみ。
夢うつつに、発熱のせいで鈍感になっているのか、敏感になっているのか。
舌と指で広げられるのにイタミも抵抗感もなく、後ろををぐちゃぐちゃにすれば、前も復活して、先走りでぬるぬるびちゃびちゃ。
熱と快感に心身を蝕まれつつ、坂田が背後にいなくなったことで、汗ばむ背中が冷えるのが気になって。
火傷するような肌の摩擦が恋しくなり「はあん・・・」と切なく吐息すれば、また密着。
舌と指が遠ざかり、パンツ越しでない、剥きだしの蒸したそれも密着。
坂田をフッタ彼女の言葉「獣の交尾みたい」が思いだされ、ぞっとし「そん、な、はあ・・・おっき、の、あ、あ、入らな・・・!」と叫ぶもムナシク、侵入。
が、勢いよく打ちこまれることなく、中をかき混ぜながら、徐徐に広げて、徐々に埋めこんでいった。
「獣の交尾みたくないじゃねーの」と胸を撫でおろすよりは、じれったいし、あんあん腰を跳ねるのを、背後からじっくり眺められているようで恥ずかしい。
さっきパンツに手を差しいれてイタズラしたように、じらして辱めるのが得意なのだろう。
「そんなイジワルだから、フラれるんだよ!」と一喝してやりたいなれど、まんまと思うツボで、自分から迎えいれるように、腰から尻にかけてくねくね。
それに合わせて磨りガラスに胸と勃起をすり寄せて、半ば自慰をしているよう。
自ら体を揺らしているくせに「あ、ああ、坂田あ、だめえ・・・」と被害者ぶって泣いたのがいけなかった。
「あ、やあ、もっと大き・・・!」と涙を散らした間もなく、強烈な一撃。
磨りガラスに白濁の液をぶちまけ、意識が遠のきかけたのを、すばやく抜いて間髪入れずに再突撃され「やああ!」と射精さずに達して。
それの繰りかえしをされ、今に至る。
「あ、は、ああ、熱、い、あん、ああん、熱い・・・も、や、あう、イって、ばっかあ、う、うあ、はあん、おか、しく、なる・・・」
ずんずんと打ちこまれるたび、お漏らししっぱなしのを痙攣させ、絶頂の快感に痺れる。
熱のせいで感覚が狂っているのか、夢のご都合主義なのか。
はじめての、しかも男の貫通なんて悲惨に決まっているはずが、男同士、固い体を衝突させるのも、肌と肌が汗でスベル感触にさえ「はああん」と恍惚として。
それにしても、坂田の体力精力は無尽蔵なのか。
延延にうしろから突かれて、イカされるのではと、戦々恐々としたものの、ずっとだんまりだったのが「なあ」と耳に湿った吐息を。
「なかに、だしていい・・・?」
「ば、だめっ、てえ・・・!」と言葉で拒否るだけムダ。
一段と奥に突っこまれて、そのまま暴れらて、ヒーヒーするうちに、腹のなかが生温かく・・・。
このサウナの一件を、俺たちはなかったことにした。
「のぼせて、ぶっ倒れたから、どこまでが現実で夢だったか分からない」と俺は伝えて「俺も」と坂田はうなずいて、おしまい。
そのあと、決して蒸しかえさなければ「サウナまたいく?」と誘わず「また、つれてってくれよ」と頼むこともなかったのだが・・・。
会社おわりに飲み屋で二人で酒を飲みかわしたとき。
酔っぱらった勢いで、口を滑らせてしまい。
「なあ、おまえ、新しい彼女、できたのか?」
俺は笑っていたのが、坂田ははっとした顔つきになり、だんまり。
目を伏せて、頬を染めたのを見て、察したなら、思わず生唾を飲みこんで。
ゴマカシタリ、ウヤムヤにすることなく、テーブルに肘をついて、身を乗りだし、うつむく坂田を覗きこみながら、囁いたものだ。
「このまえのつづき、後攻の俺がしてもいい?」
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