【2000字掌編】同じ空、違う二人で

9/9
前へ
/9ページ
次へ
 代わりに近々会う約束をして、電話を切る。  どちらかが言い出すことだった。双子として寄り添ってきた二人にも、いつか道を違える日が来るのだと。    ……それから1時間近く待ったが、やはり夜空は動かない。  諦めかけたその時、天を仰いだ視界を不意に星が一筋流れ落ちた。  星屑のサンタクロース。あかりは驚きと喜びの声を上げた。    大人の時間を願った兄妹の手が、ゆっくり離れていく。  でも大丈夫。いのちある限り、二人は同じ空の下にいる。   <了>
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加