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代わりに近々会う約束をして、電話を切る。
どちらかが言い出すことだった。双子として寄り添ってきた二人にも、いつか道を違える日が来るのだと。
……それから1時間近く待ったが、やはり夜空は動かない。
諦めかけたその時、天を仰いだ視界を不意に星が一筋流れ落ちた。
星屑のサンタクロース。あかりは驚きと喜びの声を上げた。
大人の時間を願った兄妹の手が、ゆっくり離れていく。
でも大丈夫。いのちある限り、二人は同じ空の下にいる。
<了>
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