零鬼 九鬼堂

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 なぜだろう?  体中が痛い。  視界を巡らせてみると、一人の男性が立っていた。 「やぁ気分はどうだい?」 「……誰です?」  知らない人物だった。  小さなめがねを掛けており、細い顔立ちで青白い顔色。明らかに普通の人間には見えなかった。  他に人は……いない。こんな気味の悪い人と二人で居ることに対して嫌悪感を覚えた。 「私……帰ります」  そう言い、起き上がろうとしたときだった。 「痛っ!」  目の辺りが痛んだ。 「まだなじんでない。しばらくは経過観察で入院してもらうよ」
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