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◆◆◆ 自分の上で彼女が揺れている。 白い乳房に桜色の乳首。 何て綺麗なんだろう。 しかし自分はそれを、揉みしだくことができない。 彼女の体重は感じないのに、 自分の腕がたまらなく重い。 身体の中心は燃えるほど熱いのに、 身体全体はどんどん冷たくなっていく。 だらんと投げ出した手の指に温かい液体が触れる。 切断された自分の太腿から出た血であることはすぐに分かった。 切られた瞬間、彼女の着物の袖から出たソレを柿崎は見た。 吉永の時には見えなかった。 いや、見せなかった。 それを柿崎に見せたということは―――。 彼女は自分を、生きて皆の元に戻す気がないということだ。 「あ……柿崎くんッ。気持ち……いい!!」 彼女の声が遠くなっていく。 「出して!中に、出して……!!」 出せるのだろうか。 自分のかろうじてまだ硬度を保っているソレは射精できるのだろうか。 自分の最期の想いを込めた小さな精子たちが、カウパーに乗って、彼女の膣内に流れていき、奥の奥まで入っていき、やがて卵に出会う。 精子の一つが尾をフリフリ振りながら、それを頭で突き破って中に刺さっていく。 遠のく意識の中、そんなことを想った。
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