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風呂の準備を手伝っている間、泉が井戸と風呂を往復していたどこかのタイミングで、いつの間にか沢渡の死体は片付けられていた。 「泉君、ありがとう!本当に助かった!」 それについて何も触れない麗奈に、 「他に何か手伝うことはない?」 泉も何も聞かなかった。 結局、炊事も手伝い、そのまま夕食となった。 「んんっ!やっぱり白だしで作っただし巻き卵、おいしい!泉君の言う通りだあ!」 「あ、そう……。よかった」 「サバの味噌煮も!長ネギ入れるとどうしてこんなにおいしくなるんだろう…!」 誰も話し出そうとしない中でただ一人、麗奈だけがまるで同棲したてのカップルのように、ウキウキと泉に話しかけていた。 無表情で箸を運ぶ白石と、 明らかに泉を睨みつけている喜多見と、 何かを考えこんでいる辻。 3人が座るテーブルが恐ろしいほど静かで、泉は寒気を覚えた。 白石と喜多見は、自分の行動をどう解釈したのだろう。 辻には、沢渡の不在と自分の狂行を、何と言って伝えたのだろう。 「美味しいね、泉君っ!」 自分は今夜―――。 無事に眠れるのだろうか。
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