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「覚えてねえかもしれないけど。2日目の朝、山田が喰われた朝だよ。そんとき、玄関で俺と会ったのを覚えてるか?」 辻の言葉に喜多見は首を捻った。 「お前と、そう泉だよ。2人して外から入ってきた」 「……あ」 泉が口を開けた。 「何をしてきたか聞いた俺に、お前らは“宝探し”と言ったんだ。ーーどこまで行ってきた?」 「――――」 泉が喜多見を振り返り、喜多見も眉間に皺を寄せながら頷いた。 「屋敷の外だ。バナナを……。か……カブトムシの罠を仕掛けに」 「でもその時は枯葉なんて襲ってこなかったぞ」 喜多見が解せないという表情で首を傾げた。 「そう出てこなかった。なんでかわかるか」 「――――」 泉はピンときたようで喜多見を見つめた。 「――煙草だよ」 辻は言った 「俺も経験がある。虫ってのは煙草の匂いが嫌いなんだ」
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