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―――妊娠……。
辻は自分のモノを咥えた麗奈を見下ろした。
長い黒髪を耳に掛けながら一生懸命自分の股間に顔を沈めている。
「ーーガキ孕むくらいヤリまくってたわりには、下手くそだな」
その顎をくいと上げる。
彼女は挑発するように目を細めた。
しかし否定はしない。
彼女の伯父が言っていたことは正しかった。
麗奈は、妊娠していた。
彼女の伯父は、麗奈が消えた後、警察と共に手掛かりになるものはないか部屋中を探し回ったらしい。
その際に産婦人科の診察券と、白黒のエコー写真が出てきたというのだ。
まだ肺胞がやっと写るくらいの妊娠超初期。
『本当に親不孝な子だよ。お母さんが大変だった時に男ひっかけて、妊娠までして』
伯父は呆れたように息を吐いた。
『財布も携帯電話も全ておいて出て行った。きっとその男と消えたんだろうよ』
「お前の相手はフェラしろって言わなかったのかよ」
口の端を上げながら言うと、彼女は視線を逸らした。
「自分の特徴を見せたくなかったんじゃない?」
「――――?」
その言葉を何度か頭の中で反芻したが、意味は分からなかった。
彼女は口からソレを離すと、濡れそぼったモノを手で包み、優しく上下し始めた。
数日前、山田とここで思い切りセックスしていた彼女を思い出す。
『彼女は、妊娠したがっている』
泉の言葉を思い出す。
妊娠したい?
また?
そもそも、
去年、腹の中にいた子供はどうなった―――?
「もう……」
麗奈が潤んだ瞳で辻を見上げた。
「挿れていい……?」
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