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日数にして68日間。 時間に直して1632時間。 彼は自分に命を注ぎ込んでくれた。 クラスメイトが自分を見つめ、話しかけてきた。 遊びに誘い、馬鹿みたいなことで笑い合った。 『喜多見って面白い奴だよな!』 柿崎がその時間をくれたから、 だから自分は生きて来れた。 柿崎の態度が変わっても関係ない。 彼に嫌われても構わない。 自分は彼に、命をかけて借りを返す。それだけだ。 強く息を吐いた。 ザッと音を立てて枯葉が左右に分かれ、道を作った。 「ーーーー」 喜多見は振り返った。 自分が吐き出した煙の向こうに見える麗奈の部屋を仰ぎ見ながら走り出した。 ―――透。待ってろよ。俺が必ず、助けてーーー その時――――。 喜多見はなにかに躓いた。
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