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◇◇◇
白石は悲鳴が聞こえた天井を見上げた。
ドガン。
バタン。ガスッ。
ドンドン。
続いて何かが暴れるような音。
『――――!―――――!!』
誰かの叫び声。
「何が起こってるんだ……?」
泉が立ち上がりながら同じく天井を見上げた。
『―――!!』
叫び声。
ドスン。
何かが落ちる音。
そしてーーーー
ズルッ。
ズルッ。
何かを引きずる音。
ズルッ。
ズルッ。
床の軋み音と共に、
「……近づいてくる……!!」
白石は思わず泉の後ろに隠れた。
泉も部屋の出入口を睨んだ。
確かにその音は近づいてきた。
ズルッ。
ズルッ。
何の音だ……。
一体、誰が、
一体、何を、
引きずっているんだ……?
「…………!!」
カタカタと震えながら白石が泉の背中に抱きついた。
そのとき、
「泉君」
ドア1枚を隔てたすぐ向こうから、麗奈の声が響いた。
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