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◆◆◆◆
麗奈の部屋のドアは空いていて、
それはこの部屋主の不在を表していた。
泉と白石はゆっくりその部屋の惨状を覗き込んだ。
「――辻……」
白石が見下ろした先に、ゴムで縛られた前髪が切り取られたように落ちていた。
その横にある左手首。
その奥にある右くるぶし。
腰の上に無造作に落ちている右脹ら脛。
臍に突き刺さっている右手の人差し指。
そこには、
辻の四肢が散らばっていた。
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