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◇◇◇ ブロック塀に囲まれた屋敷を出ると、枯葉はもういなかった。 膝に手をついて粗く息を繰り返す。 泉は屋敷を振り返った。 ―――辻君……。 泉は辻から渡されたそれを握りしめた。 ―――これはちゃんと、妹さんに渡すからね……。 そこには、山の麓で寄った神社で買った、病気平癒のお守りが握られていた。 「―――行こう」 白石が低く言い、泉は頷いた。 屋敷は先ほどまでの騒ぎが嘘のように、静まり返っていた。
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