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麗奈の顔が迫ってくる。腕が手首を支点として肘からぱっくり割れる。
ーーああ、そうか。
そこに隠し持ってたんだね。
泉は薄れゆく意識の中、その美しいカマを見た。
それで泉の肩を挟んだ麗奈の顎まで裂けた下顎が寄ってくる。
泉は目を閉じた。
君に食べられるなら、
僕はーーー。
そのとき、
ドガッ。
鈍い音がして、緑色の彼女は視界から消えた。
股間を絞めつけていた痛みと、腰に覆いかぶさっていた重みが消える。
驚いて目を開けるとそこには、
死んだはずの辻が立っていた。
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