422人が本棚に入れています
本棚に追加
/245ページ
◇◇◇
「…………?」
意識を取り戻すと、折れたのか、外れたのか。右腕はもう動かなくなっていた。
慌てて起き上がり辺りを見回した。
意識を失いながらも煙草だけは必死に咥えていたらしい。
ほとんど灰になったそれを吐き出しながら辻は辺りを見回した。
静かだ。
どれくらいの間、ここで意識を失っていたのだろう。
自分が落ちてきた2階の窓を見上げる。
声も物音もしない。
喜多見はどうなった。
麗奈は?
泉は?
白石は?
キョロキョロと辺りを見回したところで、
ピイーーーーーー。
林の方から笛の音が響き渡った。
最初のコメントを投稿しよう!