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食堂がしんと静まり返った。 素手で持ってきた彼にゾッとしないわけでもなかったが、泉が耳を持ってきてくれて助かった。 沢渡たち3人は現物を見るまで信じなかっただろうし、こと麗奈においても現物を突きつけられたら言い逃れできない。 「うーーーん」 麗奈は着物の裾を止めていたゴムを外しながら、小さく唸った。 「もうここまで見られちゃったら無理か」 結わえていた長い髪の毛も解いた。 袖から覗く白い腕も、長い髪の毛がばらける鎖骨も、全てが完璧に美しい女。 しかし、桜色の唇から出たのは、 「そうよ、それは山田君」 恐ろしい言葉だった。
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