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「どうしたの?白石君」 麗奈は舞う蝶のように着物の袖をヒラヒラさせながら寄っていった。 「……せ、せっかく作ってくれたのに……。俺、小麦アレルギーなんだ……」 そう言うと白石は泣きそうな顔で俯いた。 「ーーそうなの?」 麗奈は白石を覗き込んだ。 「でも、困ったね。明日も明後日も、朝ご飯はパンなんだよ?」 そう言いながら白石を覗き込んだ。 「アレルギーって今もそうなの?私も小さいときはそうだったけど、大きくなるときに治っちゃったよ?」 「いや、でも……食べるとブツブツが出て、喉の粘膜も腫れて、こ…呼吸ができなくなるから……」 白石が震えながら話す。 「そっかあ。じゃあ、食べられないから」 麗奈は白石を見つめた。 「痩せちゃう、ね……?」 その目つきに明らかであからさまな殺気が混じる。 白石だけではなく、周りにいた男子たちが、椅子ごと下がった。 「じゃあ、痩せる前に。今日は白石君でいこうかな?」 麗奈は微笑んだ。 「あ、その前に私に精液ちょうだいね?いっぱいね?」 彼女は微笑みながら白石の腕を掴んだ。 「た……食べる!うどん、食べるから……!!」 白石はそう言うと、必死で麗奈の手を振りほどき、震える手で割りばしを割った。 そして麺を震える箸で掴むと、口に運ぼうと近づけた。 「―――!!」 しかしその手を、再び強く捕まれた。 白石が恐る恐る顔を上げるとそこには―――。 喜多見が立っていた。
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