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「ーーふざけんな!てめえ!!」 気が付くと、階段に突っ伏していた。 倒れたときに階段に打ったのかこめかみに激痛が走る。 「あんなの……未遂じゃねえか!お……お前がビビって勃たなかったから!だから逃げられて終わったんだろうが!」 柿崎は回る頭で沢渡を見上げた。 「殺されるなら一人で殺されろ!死ぬなら一人で死ねや!何なら今俺が殺してやろうか!?」 沢渡は傍らに転がった包丁を手に柿崎に向かってきた。 「お前を殺して肉としてあの狂った女に差し出してやる。そしたら一食分だろうが!」 襟元を掴み上げられる。 「その綺麗なツラ、ぐちゃぐちゃにしてから献上してやるよ!てめえが喰われろバーカ!!」 包丁を持ち直した沢渡が、そのままのポーズで脇に吹っ飛んだ。 「………」 やっと焦点が合って、視界が開けた。 沢渡を蹴り倒した長い脚がゆっくりと着地する。 「ーー大丈夫か。透」 そこには幼いころと何も変わらない、 喜多見が立っていた。
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