【番外編】雪かきの支度を

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 道具を持って扉を開けると、いつのまにか再び雪が降り出していた。  新たに降り積もった雪により、ここまで歩いてきた足跡はとっくに消えてなくなっていることに気づき、どのぐらい時間が経過したのだろうかとメルヴィは顔を赤らめる。 「……早く済ませないと、ますます雪が深くなってしまいますわ。それに、ポールさんも心配されているかもしれませんし」 「そうだな」  倉庫にいるあいだ、かすかに聞こえた物音は、様子を見に来たポールだろう。  なにかを察し、声をかけずに去って行った執事の足跡すら消してくれた雪に感謝しつつ、アダムはメルヴィの頭に何度目かのキスを落とした。
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