【番外編】魔女の子どもたち

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【番外編】魔女の子どもたち

 コルトは、自分が変わった子どもであることを自覚していた。  この場合の「変わった」は変人という意味ではなく、「他人とは異なっている」という意味だ。主に、良い意味で。  選民思想という言葉を知ったのはもっと大人になってからだが、己の考えはそれに近いものだったのかもしれないと振り返って思い、少々恥ずかしい。  勿論、そんなことは誰にも言わないけれど。  ともかくコルトは、己を特別な、選ばれた子どもだと信じていた。  だから十歳にして親から見放され教会に放り込まれたときも、おまえは悪魔憑きだと悲鳴を上げられたときも、理解しない周囲のほうがおかしいのだと思っていたのだ。
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