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実那都はあらためて戒斗を見上げる。
航と戒斗の共通点は、実那都からするとそびえるように背が高いこと、顔が綺麗なこと。
もうひとつ、人を圧倒する気配だ。
ただ、戒斗の場合、航の尊大さとは種類が違っていた。
なんだろう。
ひと言で簡単に表すなら品格だ。
航の家は裕福で、実那都の家は無理をすれば、妹の加純を私立学校や東京に行かせられるくらいの選択はできる一般レベルの程度。
もっと大きく括れば西崎家も藍岬家も一般庶民だ。
だけれど、戒斗が纏っているオーラは庶民には括れないものが見える。
航とは違った意味で、手を出すなら相当の覚悟をしなければならない。
そんな、住む世界が違っているような雰囲気を感じる。
「西崎実那都です。あの、いろいろありがとうございました。よろしくお願いします」
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