7.不束者vs不届者

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「ああ。これでクリアだ。あとは――おまえがやることは勉強のみだ」  航はにやりとして云いきった。 外灯のもと、それは闇の使者が罠に嵌まった者を愚弄した嗤笑(ししょう)にも見えた。 「クリア、って?」  実那都の両親はひとつも納得していなかった。 前途多難、そんな言葉がぴたりと当てはまって、実那都からするととてもクリアしたとは思えない。 「おまえの親には(わり)ぃけど、認めてもらうかもらわないかは関係ねぇ。おれんちの親、『きちんと伝えなさい』とは云ったけど、認めてもらえとは云ってねぇし」  どうだ? と訊ねるかわりに航は不遜に首をかしげた。  果たして、航の両親が言葉に込めた真意がどうだったのか、航は都合のいいように受けとっていた。  実那都はびっくり眼になって、笑うのを通り越して気が抜けた。 うなずいた弾みに目から雫が落ちた。
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