8.Love Call

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「ラブコールって……」 「心の中でも常におれは愛を叫んでる」  一瞬、目を見開いた実那都は小さく吹いて、 「だと思ってる」 とついさっきと同じように云った。 「はっ。あんまり云ってっと重みがなくなるっつうか、また云ってるって本気に取られなくなるのも嫌だし……あとさ、うっとうしいとか、一歩間違えばストーカーっぽいだろ。 てか、実那都がおれを嫌いになったら、間違いなくストーカーだ」  実那都は目を瞠った。 そして、笑いだしそうになった刹那、航は実那都の鼻頭ぎりぎりに人差し指を突きつけた。 「笑うなよ。おれは真剣だ」 「可笑しいんじゃなくて、うれしくて笑うのもダメ?」  航の人差し指をつかんで目の前からずらしつつ、実那都は首をかしげた。
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