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「永山さん!コレを今日中に!」と、膨大な書類を璃子の机の上に置く亮輔。
「え?無理です!今日は、こちらの急ぎの書類が…」
「ん?やりもしないで、最初から断るのか?」
「…」
「大丈夫だ!そう言ってキミは、いつもやり遂げる!」と、耳元で囁くように言う。
『鬼!ドS!大嫌い!』
いつも心の中では、罵声を浴びせているのに…
実際には、言えるはずもない…
「頼んだよ!」
「は、い…」
そう言うと、仕事先に外出してしまう亮輔。
他にも女性社員は居る。しかし、いつも膨大な量の書類を頼むのは、璃子だけ。
「春名さん、どうして、いつも璃子だけに、こんな大量に任せるんだろうね?しかも、週末に…」
「あんなにツンケンしてるけど、実は、璃子に気があるんじゃない?」
同期入社のマキ、ユカは、そう言う。
「きっと違う!ただ、虐めて楽しんでいるだけだよ。」
「イケメンなのに、性格悪いよね?」とマキ
「そうだよね、あれで優しければ、即、恋に落ちたのにね?」とユカ
「だよね。外見だけなら、私もドストライクだから、初めて会った時、見惚れちゃったのに…私の時間を返してよ!」と璃子は怒る。
いつも3人集まれば愚痴しか出て来ない。
「でも、春名さんって、凄くやり手だよね。あの人、物凄く出世するんじゃない?」
「そうだよね、仕事はバリバリ出来るよね。」
だから、言い返せないで居る璃子。
「でも、彼氏としては、無いよね〜」
「無い無い!」
「絶対、無い!デートの度に、泣かされて帰りそうだもん。」
璃子は、関わりたくないと思っていた。
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