入社2年目

2/3
2771人が本棚に入れています
本棚に追加
/221ページ
「永山さん!コレを今日中に!」と、膨大な書類を璃子の机の上に置く亮輔。 「え?無理です!今日は、こちらの急ぎの書類が…」 「ん?やりもしないで、最初から断るのか?」 「…」 「大丈夫だ!そう言ってキミは、いつもやり遂げる!」と、耳元で囁くように言う。 『鬼!ドS!大嫌い!』 いつも心の中では、罵声を浴びせているのに… 実際には、言えるはずもない… 「頼んだよ!」 「は、い…」 そう言うと、仕事先に外出してしまう亮輔。 他にも女性社員は居る。しかし、いつも膨大な量の書類を頼むのは、璃子だけ。 「春名さん、どうして、いつも璃子だけに、こんな大量に任せるんだろうね?しかも、週末に…」 「あんなにツンケンしてるけど、実は、璃子に気があるんじゃない?」 同期入社のマキ、ユカは、そう言う。 「きっと違う!ただ、虐めて楽しんでいるだけだよ。」 「イケメンなのに、性格悪いよね?」とマキ 「そうだよね、あれで優しければ、即、恋に落ちたのにね?」とユカ 「だよね。外見だけなら、私もドストライクだから、初めて会った時、見惚れちゃったのに…私の時間を返してよ!」と璃子は怒る。 いつも3人集まれば愚痴しか出て来ない。 「でも、春名さんって、凄くやり手だよね。あの人、物凄く出世するんじゃない?」 「そうだよね、仕事はバリバリ出来るよね。」 だから、言い返せないで居る璃子。 「でも、彼氏としては、無いよね〜」 「無い無い!」 「絶対、無い!デートの度に、泣かされて帰りそうだもん。」 璃子は、関わりたくないと思っていた。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!